日本史の流れ(中世・文化史)

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 このページでは、日本史のうち、中世の文化を中心に流れをまとめました。
 基本的に、宗教関係は青色、文学関係は赤色、思想・学問関係は黄色、その他は緑色にしています。

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文化史

前の時代

院政期の文化

宗教関係
  • 上皇による造寺・造仏や高野詣・熊野詣が盛んに行われました。
  • 民間布教者(上人)により、浄土教が地方にも伝播しました。
文学関係
  • 武士や庶民を題材にする説話集・軍記物語が書かれました。
  • 催馬楽・朗詠・田楽・猿楽・今様が流行しました。
その他
  • 絵巻物が発展しました。
1072~ 白河天皇
  • 1077
    白河天皇、法勝寺を建立

    六勝寺の最初

1086~ 堀河天皇
  • 1088
    白河上皇、高野山に御幸

    以降、高野詣・熊野詣を頻繁に行う

1123~ 崇徳天皇
  • この頃
    『大鏡』

    藤原氏の繁栄を批判的に描く歴史物語
    四鏡の一つ

    • 大鏡
    • 水鏡
    • 今鏡
    • 増鏡
  • この頃
    『今昔物語集』

    日本(本朝)・インド(天竺)・中国(震旦)の説話を集めた

1158~ 二条天皇
  • 1164
    平清盛、厳島神社に平家納経を奉納
  • 1164
    後白河上皇、平清盛に蓮華王院を造営させる

    院政期の文化の仏像彫刻:千手観音像
    鎌倉文化の建築:本堂(1266年、和様の建築)
    鎌倉文化の仏像彫刻:本堂千手観音坐像(1254年、湛慶)

  • 1164~
    九条兼実、『玉葉』を記す
1168~ 高倉天皇
  • 1168
    栄西、入宋する
  • 1170頃
    『今鏡』(藤原為経)

    四鏡の一つ

  • 1179
    『梁塵秘抄』(後白河上皇)

    今様の歌謡集

  • 院政期の文化
    その他
    『将門記』

    平将門の乱を描く軍記物語

  • 『陸奥話記』

    前九年の役を描く軍記物語

  • 院政期の文化
    その他
    「伴大納言絵巻」

    応天門の変を題材にする絵巻物

  • 「鳥獣戯画」

    動物を擬人化した絵巻物

  • 「年中行事絵巻」

    宮中の年中行事を描く絵巻物
    後白河上皇の命で作成された

鎌倉文化

  • 貴族だけでなく、武士や庶民が文化の担い手になっていきました。
  • 宋や元の文化の影響も受けました。
宗教関係
  • 鎌倉新仏教が武士や庶民に広がりました。旧仏教でも改革を行う者がいました。
  • 焼き打ちにあった東大寺・興福寺などの再建のため、様々な建築・彫刻が作られました。
文学関係
  • 勅撰和歌集のほか、個人の歌集も多く編纂されました。
  • 院政期に続き、説話集・軍記物語など様々なジャンルの作品が生まれました。
思想・学問関係
  • 鎌倉末期には、宋から宋学(朱子学)が伝わりました。大義名分論は、後醍醐天皇が討幕の理論的な根拠としました。
その他
  • 絵巻物のほか、肖像画として似絵頂相が描かれました。
  • 武士の成長を背景に、備前の長光、京都の藤四郎吉光、鎌倉の正宗が刀工として活躍しました。
1180~ 安徳天皇
  • 1180~
    藤原定家、『明月記』を記す
  • 1180
    平重衡、南都を焼き討ちにする
  • 1181
    重源、東大寺再建のため勧進を命じられる

    鎌倉文化の建築:南大門(1199年、大仏様の建築)
    鎌倉文化の彫刻:南大門金剛力士像(1203年、運慶・快慶ら)、僧形八幡神像(1201年、快慶)、重源上人像

  • 1183
    陳和卿、東大寺大仏を鋳造
1185~ 後鳥羽天皇
  • 1187
    栄西、再度入宋する

    1191年、帰国し臨済宗を広める

  • 1190
    西行、死去

    生前に『山家集』を編む

鎌倉幕府将軍
1192~ 源頼朝
  • 1198
    『選択本願念仏集』(法然)

    専修念仏の教えを説く
    九条兼実の求めにより著す

  • 1198
    『興禅護国論』(栄西)

    坐禅の本質を説く

1203~ 源実朝
  • 1205
    『新古今和歌集』(藤原定家ら)

    八代集の最後
    後鳥羽上皇の命により撰集

1205~ 北条義時
  • 1207
    専修念仏を禁じ、法然を土佐に、親鸞を越後に配流
  • 1211
    『喫茶養生記』(栄西)

    茶の効用を説く

  • 1212
    『方丈記』(鴨長明)

    当時の災害や人生の無常観などに触れた随筆

  • 1212
    『摧邪輪』(明恵)

    法然を批判

  • 1212
    興福寺無著・世親像(運慶ら)
  • 1213
    『金槐和歌集』(源実朝)
  • 1215
    興福寺天灯鬼・竜灯鬼像(康弁)
  • 1220頃
    『愚管抄』(慈円)

    神武天皇から承久の乱直前までを描く歴史書
    道理で歴史を考察

  • 1221
    「後鳥羽上皇像」(伝・藤原信実)
  • 1221頃
    『禁秘抄』(順徳天皇)

    朝廷の諸行事の作法などを記載した有職故実書

  • 1223頃
    『海道記』

    京都・鎌倉間の紀行文

1224~ 北条泰時
  • 1224頃
    『教行信証』(親鸞)

    弟子の唯円は『歎異抄』を著し、悪人正機について記載する

  • 1227
    加藤景正、瀬戸焼を創始したという
  • 嘉禎年間
    『正法眼蔵随聞記』(懐奘)

    弟子が道元の言行を筆録

  • 1242
    『東関紀行』(源親行か)

    京都・鎌倉間の紀行文

1246~ 北条時頼
  • 1253
    日蓮、日蓮宗(法華宗)を開く

    法華経を重んじ、題目唱和を説く

  • 1253
    道元、死去

    生前に『正法眼蔵』を著す

  • 1254
    『古今著聞集』(橘成季)

    説話集

  • 1260
    『立正安国論』(日蓮)

    他国からの侵略を予言
    北条時頼に献上

1268~ 北条時宗
  • 1269
    『万葉集註釈』(仙覚)

    『万葉集』の注釈書

  • 1271
    日蓮、幕府に捕らえられ佐渡に配流
  • 1279
    阿仏尼、鎌倉に下向し、『十六夜日記』を著す
  • 1283
    『沙石集』(無住)

    仏教説話集

1284~ 北条貞時
  • 1293
    「蒙古襲来絵巻」

    竹崎季長が蒙古襲来で奮戦した様子を描かせた

  • 1299
    「一遍上人絵伝」(円伊)

    一遍は著書をすべて焼いた

1301~ 北条師時
  • 1309
    「春日権現験記」(高階隆兼)

    西園寺公衡が春日明神の霊験譚を描かせた

1316~ 北条高時
  • 1320
    『類聚神祇本源』(度会家行)

    反本地垂迹説を主張

  • 1322
    『元亨釈書』(虎関師錬)

    日本初の仏教史書

  • 1325
    幕府、元に建長寺船を派遣
1326~ 赤橋守時
  • 1330頃
    『徒然草』(吉田兼好)

    鎌倉時代の人間や社会の様子に触れる随筆

  • 鎌倉文化
    その他
    『平家物語』

    平氏の栄枯盛衰を描く
    琵琶法師が平曲で語る

  • 『源平盛衰記』

    『平家物語』と同様に平氏の栄枯盛衰を描く

  • 『宇治拾遺物語』

    『今昔物語集』に漏れた説話を収める

  • 『吾妻鏡』

    鎌倉幕府による編年体の歴史書

  • 『水鏡』

    四鏡の一つ
    『大鏡』以前の時代を描く

  • 『釈日本紀』(卜部兼方)

    『日本書紀』の注釈書

  • 鎌倉文化
    その他
    忍性、北山十八間戸を設ける

    ハンセン病患者等の救済に尽力

  • 「平治物語絵巻」

    平治の乱の様子を描く

  • 「男衾三郎絵巻」

    笠懸など武士の生活を描写

  • 「伝源頼朝像」「平重盛像」

南北朝文化

  • 歴史書・軍記物語が多く生まれました。
  • 連歌・能・茶寄合・闘茶が行われました。
  • 1334頃
    『建武年中行事』(後醍醐天皇)

    朝廷の年中行事をまとめた有職故実書

室町幕府将軍
1338~ 足利尊氏
  • 1339
    『神皇正統記』(北畠親房)

    南朝の正当性を主張した歴史書

  • 1340
    『職原抄』(北畠親房)

    官職に関する有職故実書

  • 1341
    足利尊氏・直義、夢窓疎石の勧めで元に天龍寺船を派遣
  • 1342
    五山十刹の制

    臨済宗の寺院の寺格を定める
    足利義満の時代に、京都五山・鎌倉五山の体制が固まる

    別格:南禅寺
    京都五山:天龍寺相国寺建仁寺東福寺万寿寺
    鎌倉五山:建長寺円覚寺寿福寺浄智寺浄妙寺

  • 1342頃
    五山版の最盛期を迎える
  • 1349
    「鷹巣帖」(尊円入道親王)

    尊円入道親王は青蓮院流を創始

  • 1349?
    『梅松論』

    室町幕府の成立過程を描く歴史書

  • 1356
    『菟玖波集』(二条良基)

    連歌の歌集

  • 南北朝文化
    その他
    『太平記』

    南北朝の争乱を南朝側から描く軍記物語

北山文化

  • 武家の文化に伝統的な公家文化が取り入れられました。
  • 臨済宗が幕府によって保護され、水墨画・五山文学が盛んになりました。
  • 能(能楽)が発達しました。観阿弥・世阿弥は猿楽能を大成し、能を演じる座も結成されました。
  • 観世座
  • 宝生座
  • 金剛座
  • 金春座

興福寺・春日社を本所とした。

1368~ 足利義満
  • 1372
    『応安新式』(二条良基)

    連歌の規則書

  • 1376以前
    『増鏡』

    四鏡の一つ

1394~ 足利義持
  • 1400?
    『風姿花伝』(世阿弥)

    能の理論書

  • 1402
    『難太平記』(今川了俊)

    南北朝時代の今川氏の活躍を描く軍記物語

  • 1422?
    『公事根源』(一条兼良)

    朝廷の年中行事に関する有職故実書

1429~ 足利義教
  • 1430
    『申楽談儀』(観世元能)

    世阿弥の談話を整理

  • 1440
    日親、『立正治国論』を著し、足利義教に諫言

東山文化

  • 禅の精神などの影響を受け、簡素・幽玄・侘びを基調とし、同朋衆が活躍しました。
  • 応仁の乱をきっかけに、文化が地方に波及しました。
宗教関係
  • 吉田兼倶は唯一神道を完成させました。
その他
  • 大和絵では、土佐光信が土佐派の基礎を築きました。
  • 村田珠光が侘茶を創出しました。侘茶はその後、武野紹鷗・千利休らが活躍しました。
  • 池坊専慶が立花を創出しました。立花はその後、池坊専応・池坊専好らが活躍しました。
1449~ 足利義政
  • 1467
    応仁の乱

    ➡公家が地方の戦国大名を頼り、文化の地方波及へ

  • 1470
    『善隣国宝記』(瑞渓周鳳)

    室町時代の外交記録

  • 1471
    蓮如、越前に吉崎道場を設立

    蓮如の布教活動により、一向宗は北陸・東海・近畿に拡大

  • 1472
    東常縁、飯尾宗祇に古今伝授
  • 1472
    『花鳥余情』(一条兼良)

    『源氏物語』の注釈書

1473~ 足利義尚
  • 1480
    一条兼良、『樵談治要』を足利義尚に贈呈
  • 1481
    『大学章句』(桂庵玄樹)

    桂庵玄樹は薩南学派の祖となる

  • 1486
    「四季山水図巻」(雪舟)
  • 1488
    『水無瀬三吟百韻』(飯尾宗祇ら)

    水無瀬宮で宗祇・肖柏・宗長が詠んだ連歌集

  • 1488
    加賀の一向一揆

    加賀の一向宗徒ら、守護富樫政親を倒し、約1世紀にわたり自治を行う

1494~ 足利義澄
  • 1495
    『新撰菟玖波集』(飯尾宗祇)

    勅撰集に準じられた連歌集

  • 1500
    京都の町衆ら、祇園会を再興
1508~ 足利義稙
  • 1518
    『閑吟集』

    小歌集

1521~ 足利義晴
  • 1530頃
    『犬筑波集』(宗鑑)
  • 1532
    法華一揆

    法華宗徒ら、山科本願寺を焼き、京都から一向宗徒を追放

  • 1536
    天文法華の乱

    延暦寺の僧兵ら、洛中の法華宗二十一本山を焼き、京都から法華宗徒を追放

  • 室町時代の
    文化その他
    『御伽草子』

    絵と話し言葉で記した短編物語集

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