このページでは、『源氏物語』のうち、第7帖「紅葉賀」の登場人物系図とあらすじを紹介します。
「紅葉賀」の系図
若宮誕生
「紅葉賀」では、藤壺が皇子を生みます。桐壺帝の第十皇子ということになっていますが、実際は源氏と藤壺との間の不義の子です。
「紅葉賀」のあらすじ
朱雀院行幸
源氏18歳の年の秋、桐壺帝は藤壺のために、清涼殿で朱雀院行幸の試楽を行いました。源氏は、頭中将と青海波の舞を披露します。苦悩を抱える藤壺ですが、この時ばかりは源氏の歌に返歌をしました。
源氏は朱雀院行幸の本番でも青海波の舞を披露し、正三位に昇進します。頭中将も正四位下に昇進しました。
葵上の不満
藤壺が里下がりし、源氏は会える機会を窺っていると、左大臣邸では、二条院に紫上を引き取ったために夜離れが続いていると噂され、葵上は不愉快に思います。一方、紫上が大切にされ、北山の僧都や少納言乳母は喜びます。
源氏が二条院に女君を引き取ったという噂を知った桐壺帝は、左大臣の気持ちが分からない年齢ではないだろうと忠告します。
皇子誕生
年が改まっても藤壺に出産の兆候がなく、物怪の仕業と噂される中、二月十日過ぎになって、藤壺は皇子を生みました。四月に藤壺は参内し、何も知らない桐壺帝は皇子の誕生を喜ぶ一方、源氏と藤壺は、皇子が源氏の子であると確信し苦悩します。
源典侍との戯れ
桐壺帝には優れた女官が多く仕えていました。年老いても好色な源典侍に興味を持った源氏は、源典侍と歌を贈答し、本気にする源典侍を面白がりました。
これを頭中将が放っておくはずがありません。夕立があった宵に、源氏が源典侍と逢っていたところ、頭中将は太刀を引き抜いて驚かしに入ります。頭中将を修理大夫と勘違いした源典侍が許しを乞う一方、途中で気付いた源氏は、頭中将をふざけ合って帰るのでした。
藤壺立后
七月、藤壺は中宮となり、源氏は参議に任じられました。桐壺帝は、譲位をした後、藤壺との間の皇子を次の東宮にするつもりで、この人事はその布石となるものでした。弘徽殿女御が面白く思わないのも当然のことでした。
おすすめ書籍など
『源氏物語』を影印で楽しみたい場合、「e国宝」のページに保坂本の影印があります。
『源氏物語』を原文で楽しみたい場合、岩波文庫と新潮日本古典集成がコンパクトでおすすめです。
『源氏物語』の現代語訳は、瀬戸内寂聴さんによる全訳など、たくさん出版されています。
青空文庫のサイトにも、『源氏物語』の現代語訳があります。
『源氏物語』を漫画で楽しみたい場合、『あさきゆめみし』『まろ、ん』などがあります。
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