このページでは、Illustrator(イラレ)で丁字唐草文様(丁字唐草紋)を作る方法の一例を紹介します。
丁字唐草の作り方
花のパーツを作る
丁字の花のパーツを作ります。詳しくは「丁字を作る」をご参照ください。
フレームを作る
パターンの繰り返しの目安となる長方形のフレームを作ります。
花のパーツを配置する
最初に花のパーツをフレームに配置します。
花のパーツを配置することで、全体のバランスを見ながら蔓のパーツや葉のパーツを作っていくことができるようになります。
アピアランスでコピーを作成する
[アピアランス]パネルの[新規効果を追加]→[パスの変形]→[変形]で、フレームと花のパーツのコピーを作成します。
これで、フレームの境界付近のバランスも検討しやすくなりました。
蔓のパーツを描く
[パスツール]で蔓のパーツを描きます。1本目は真ん中を横切るメインの蔓です。
この1本目から分岐する蔓を3本描きます。
分岐した蔓からさらに分岐する蔓を描きます。右上の蔓に1本、左下の蔓に2本追加します。
蔓のパーツはこの後も、葉のパーツとのバランスなどを見ながら、適宜修正します。
葉のパーツを作る
葉のパーツは3種類作ります。1つ目は真上から見た状態のものです。
[パスツール]で葉の輪郭を描きます。
次に、線幅プロファイルを使いながら[パスツール]で葉脈を描きます。
葉脈の部分は、[パスのアウトライン]で線からパスに変換します。そして、パスファインダーで葉の輪郭のパスを型抜きします。
葉のパーツができたら、適宜回転・反転をしながら配置していきます。必要に応じて蔓から葉の根元に繋がるパスも描きます。
2つ目の葉のパーツは、1本目の蔓のパーツの先端を包むように描きます。
葉脈は、蔓との連続性を意識して描きます。
3つ目の葉のパーツは、下の花のパーツの上に、両隣の葉のパーツとのバランスを見ながら描きます。
パーツの重なりを整理する
パーツ同士が重なっている部分は、前面に来るパーツに線を追加します。追加した線は赤色にしています。
追加した線はアウトライン化します。このパスで、下のパーツの型抜きをします。
最後に、長方形のフレームを削除します。
スウォッチに登録する
[長方形ツール]で繰り返しとなる部分を囲んだ透明な長方形を描きます。この長方形を最背面に移動したうえで、すべてのパーツを選択し、[スウォッチ]パネルにドラッグして、スウォッチに登録すれば完成です。
より詳しくは…
フリー素材として、ここで作ったIllustratorのデータ(CS6のaiファイル)をダウンロードいただけます。利用にあたっては、フリー素材の利用についてをご一読ください。
丁字唐草のデータは、丁字のデータ内にあります。
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和柄を作成する際に参照しました。多くの和柄や中国伝統の文様が紹介されています。
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