【Illustrator・和柄の作り方】轡唐草を作る

Illustrator
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 このページでは、Illustrator(イラレ)で轡唐草文様(轡唐草紋)のパターンを作る方法の一例を紹介します。

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轡唐草の作り方

フレームを作る

 轡唐草を作るうえでメインとなるパーツは、円周上に並ぶ花びらのパーツです。

 まずは、花びらのパーツを作る下準備として、[長方形ツール]で正方形のフレームを作ります。

フレームを作る

花びら1枚分のスペースを決める

 花びらのパーツは、7枚、10枚、12枚の3種類を作ります。

 まずは、7枚のものを作ります。花びら1枚分を描くスペースを決めるために、[多角形ツール]で正七角形を描きます。正七角形の中心は、フレームの中心と揃えます。

花びら1枚分のスペースを決める

 正七角形とフレームを180度回転したうえで、正七角形の上の2つの頂点と中心を結ぶ直線を描きます。これで、花びら1枚分のスペースが決まりました。

花びら1枚分のスペースを決める

花びらのパーツを描く

 [パスツール]で花びらの左半分を描きます。左側は直線に沿わせます。

花びらのパーツを描く

 反転コピーしたうえで、[パスファインダー]の[合体]で1つのパスにまとめます。2本の直線は不要なので削除します。

花びらのパーツを描く

花びらのパーツを回転コピーする

 フレームと花びらのパーツを選択した状態で回転コピーします。[回転ツール]を使い、正七角形の1つの頂点から隣の頂点へドラックすると、7分の1周分の回転をすることができます。

花びらのパーツを回転コピーする

 回転コピーを繰り返して1周分の花びらのパーツを作ります。これで7枚の花びらのパーツができました。

花びらのパーツを回転コピーする

 同じ要領で10枚と12枚の花びらのパーツを作ります。

10枚の花びらのパーツ
12枚の花びらのパーツ

立涌を描く

 ここでパーツを並べる際の目安とするために、立涌の曲線を描きます。描き方は、雲立涌の場合と同様ですが、パス同士の間隔を広くしています。

立涌を描く

花びらのパーツを配置する

 曲線が一番広がったところよりも少し下に花びらのパーツを置きます。大きめにした10枚のものの中に、小さめにした7枚のものを並べ、縦方向に少し引き延ばします。

 10枚のものの一番下に位置する花びらのパーツは不要なので削除します。

花びらのパーツを配置する

 続いて、立涌の曲線上に花びらのパーツを置きます。12枚のものを縦に少し引き延ばしたうえで、曲線に沿うように回転します。配置したら、下側の3つの花びらのパーツを削除します。

花びらのパーツを配置する

花びらのパーツの先端に膨らみを作る

 3つある花びらのパーツのまとまりそれぞれについて、一番上に位置する花びらのパーツの先端に[楕円形ツール]で円を描きます。

花びらのパーツの先端に膨らみを作る

曲線部分のパーツを描く

 [パスツール]で曲線部分のパーツを描きます。

 外側のパーツは、下半分は曲線に沿うようにし、上半分は花びらのパーツの内側を均質に取り囲むように描きます。

曲線部分のパーツを描く

 内側のパーツも、曲線に沿うように描きます。

曲線部分のパーツを描く

内側に伸びる蔓のパーツを描く

 [パスツール]で曲線上の花びらのパーツから内側に伸びる蔓のパーツを描きます。

内側に伸びる蔓のパーツを描く

パーツの重なりを整理する

 パーツが重なっている部分は、前面に来るパーツに線を追加し、その線を[オブジェクト]メニュー→[分割・拡張]でパスに変換します。そして、そのパスで背面に来るパーツをパスファインダーで型抜きします。

 たとえば曲線部分では、外側のパスに線を追加します。ここでは、追加した線を赤で示しています。

パーツの重なりを整理する

 この追加した線をパスに変換し、花びらのパーツをパスファインダーで型抜きします。

パーツの重なりを整理する

 同じ要領で、花びらのパーツと内側に伸びる蔓のパーツの重なりも整理しておきます。

大きなフレームを作成する

 曲線部分のパーツの根元は、花びらのパーツの先端部分を使って型抜きをします。

 型抜きに使うパーツのコピーの補助とするため、下準備として、[四角形ツール]で曲線部分を囲む大きなフレームを描きます。フレームの中心は、曲線の間にある花びらのパーツの真ん中に揃えます。

大きなフレームを作成する

曲線部分のパーツの根元を型抜きする

 フレームと花びらのパーツの先端部分を反転コピーします。

曲線部分のパーツの根元を型抜きする

 反転コピーしたパーツは、立涌の繰り返しに応じ、左下方向に移動します。先ほどと同じ要領で曲線部分のパーツの根元を型抜きします。

曲線部分のパーツの根元を型抜きする

 型抜きをしたら、曲線部分のパーツ全てと外側のフレームを選択した状態で反転コピーします。立涌状の曲線はこの時点で削除します。

曲線部分のパーツの根元を型抜きする

曲線の間のパーツの重なりを整理する

 曲線の間のパーツも重なりを整理します。

 外側の花びらのパーツは、内側の花びらのパーツに線を追加して型抜きをします。

曲線の間のパーツの重なりを整理する

 内側の花びらのパーツは、[楕円形ツール]で中心に円を描き、その円で型抜きをします。

曲線の間のパーツの重なりを整理する

パーツをコピーする

 曲線部分のパーツが連続するように、繰り返しに必要なパーツをコピーします。元のパーツのすぐ右下には、曲線部分のパーツのみをコピーします。

パーツをコピーする

 曲線の間のパーツと外側のフレームを180度回転コピーしたうえで、空けておいた右下部分に移動します。

パーツをコピーする

パーツ間を結ぶ蔓を描く

 [パスツール]でパーツ間を結ぶ蔓を描きます。まずは、中央の曲線の間のパーツから左上方向に伸びる蔓です。

パーツ間を結ぶ蔓を描く

 蔓を描いたら、この蔓のパーツと外側のフレームを選択した状態で、回転コピーして左上方向に移動します。

曲線の間のパーツの重なりを整理する

 作成した蔓のパーツは、これまでと同様にパーツ同士の重なりを整理しておきます。最後に、作成した2本の蔓と真ん中のフレームを反転コピーしたうえで、フレームを削除すればパーツの完成です。

曲線の間のパーツの重なりを整理する

スウォッチに登録する

 [長方形ツール]で繰り返しとなる部分を囲んだ透明な長方形を描きます。この長方形を最背面に移動したうえで、すべてのパーツを選択し、[スウォッチ]パネルにドラッグして、スウォッチに登録すれば完成です。

スウォッチに登録する
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より詳しくは…

 フリー素材として、ここで作ったIllustratorのデータ(CS6のaiファイル)をダウンロードいただけます。利用にあたっては、フリー素材の利用についてをご一読ください。


 和柄を作成する際に参照しました。多くの和柄や中国伝統の文様が紹介されています。


 有職文様を作成する際にはこちらも参照しました。有職文様のカラー写真が多数掲載されています。


 有職文様に関して詳しく解説されており、図版だけでなく史料も掲載されています。

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