【Illustrator・和柄の作り方】鳥襷を作る

Illustrator
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 このページでは、Illustrator(イラレ)で鳥襷文様(鳥襷紋)のパターンを作る方法の一例を紹介します。

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鳥襷の作り方

尾長鳥のパーツを描くスペースを明確にする

 鳥襷は七宝文様と同じ構造になっており、中央に花菱のパーツ、周囲に尾長鳥のパーツを置きます。
 そこで、尾長鳥を描く範囲を明確にするために、[楕円形ツール]で正円を2つ描きます。一方の円の45度斜め上(下)にもう一方の円を配置します。

尾長鳥のパーツを描くスペースを明確にする

 パスファインダーの交差で円が重なっている部分を切り出します。この部分が七宝の周囲の部分に相当し、尾長鳥のパーツを描くスペースになります。
 切り出した部分は、尾長鳥が真っ直ぐ立った状態にするため、回転して薄い灰色で塗りつぶします。

尾長鳥のパーツを描くスペースを明確にする

尾長鳥の胴体を描く

 [パスツール]で尾長鳥の胴体の半分を描きます。[塗り]は黒、[線の色]は白としています。

尾長鳥の胴体を描く

 描けたら反転コピーしたうえで、1つのパスにまとめます。

半円を描く

 尾長鳥の翼を描く範囲の目安とし、最後に型抜きに仕えるように横長の半円を描きます。

半円を描く

尾長鳥の羽を描く

 羽根は三層構造です。首元部分は[パスツール]で描きます。

尾長鳥の羽を描く

 反転コピーすることを見据えて、パスの右端のX座標は、胴体部分の真ん中のX座標に合わせておきます。

 中央部分は、根元と先端だけパスを描きます。

尾長鳥の羽を描く

 アンカーポイントは始点・終点の2か所のみとし、首元側はハンドルを伸ばさないようにします。

 ブレンドで中間のパスを作り、拡張します。

尾長鳥の羽を描く

 このパスを加工し、羽の形を整えます。

尾長鳥の羽を描く

 先端側も同様に作ります。

尾長鳥の羽を描く

 反転コピーで反対側の翼を作ります。

尾長鳥の羽を描く

半円のパスで型抜きをする

 羽のパスはアウトライン化したうえで1つのパスにまとめます。そのうえで、[パスファインダー]パネルの[前面オブジェクトで型抜き]を使い、半円のパスで型抜きをし、不要な部分を削除します。

半円のパスで型抜きをする

尾長鳥の胴体部分を修正する

 頭部のアンカーポイントを反時計回りに動かし、ハンドルをちょうせいすることで、右上方向を向かせます。

尾長鳥の胴体部分を修正する

 アンカーポイントを追加し、くちばしを付け加えます。

 胴体部分のパスもアウトライン化し、黒い塗りの部分を白い線の部分で型抜きします。

尾長鳥の胴体部分を修正する

 目の部分に円形のパス、胴体の真ん中に卵型のパスを描き、同様に型抜きします。

尾長鳥の胴体部分を修正する

 頭頂部と足をパスで描きます。尾長鳥の胴体は完成です。

尾長鳥の胴体部分を修正する

尾長鳥の尾を描く

 尾を描く前提として、ペアとなる尾長鳥を回転コピーで作成します。

尾長鳥の尾を描く

 冒頭に作成した描くスペースを示すパスと一緒に180度回転コピーをします。

 [パスツール]で尾を3本描きます。パスの[可変線幅プロファイル]は「線幅プロファイル1」にしました。

尾長鳥の尾を描く

 このパーツも回転コピーします。

尾長鳥の尾を描く

尾長鳥のパーツをコピーする

 冒頭では、尾長鳥を描くスペースのパスを、尾長鳥が真っ直ぐになるように回転していました。この回転した角度分反対方向に回転し直します。
 あとは、尾長鳥が七宝の中心を囲むようにコピーして並べていきます。最後に、尾長鳥を描くスペースを明確にするためのパスを削除します。

尾長鳥のパーツをコピーする

花菱のパーツを描く

 尾長鳥に囲まれた中心に花菱のパーツを描きます。花菱のパーツの作り方は、「幸菱を作る」をご参照ください。

花菱のパーツを描く

花菱の周辺部分を描く

 [パスツール]で花菱の周辺部分を描きます。

花菱の周辺部分を描く

 45度分を描けば、あとは反転・回転コピーで作成します。

花菱の周辺部分を描く

花菱部分のパーツをコピーする

 花菱部分のパーツのうち必要な部分を四方にコピーします。

花菱部分のパーツをコピーする

スウォッチに登録する

 [長方形ツール]で繰り返しとなる部分を囲んだ透明な長方形を描きます。この長方形を最背面に移動したうえで、すべてのパーツを選択し、[スウォッチ]パネルにドラッグして、スウォッチに登録すれば完成です。

スウォッチに登録する
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より詳しくは……

 フリー素材として、ここで作ったIllustratorのデータ(CS6のaiファイル)をダウンロードいただけます。利用にあたっては、フリー素材の利用についてをご一読ください。


 和柄を作成する際に参照しました。多くの和柄や中国伝統の文様が紹介されています。


 有職文様を作成する際にはこちらも参照しました。有職文様のカラー写真が多数掲載されています。


 有職文様に関して詳しく解説されており、図版だけでなく史料も掲載されています。

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